優しく穏やかな日本酒が特徴の千古乃岩。銘柄は少ないですが、その分手間暇かけて丁寧に製造されています。
千古乃岩酒造とはどのような酒蔵なのでしょうか。今回は、岐阜県土岐市にある「千古乃岩酒造」について特集します。
こだわりの原料
水
使用している水は地下45mから汲み上げる三国山系伏流水を使用しています。この水なんと硬度7の超軟水なんです。
この超軟水から出来上がるお酒は繊細で上品な味わいに仕上がります。ふんわりとした優しい喉ごしはこの水だから成せる味わいなのです。
米
千古乃岩で使用される米は日本の棚田100選にも選ばれた同県恵那市の坂折棚田で造られた米を使用しています。
気候の寒暖差が激しく年間を通して降水量が多く、米自体がしっかりとしています。
香りは好適酒米と比べると穏やかですが、千古乃岩のコンセプトが食事のお供としてなので、適度な香りで心落ち着きます。
麹
酒造りの中で最も酒の味を左右する麹です。こちらの麹は一般的な麹とは一線を画します。
通常は24時間で完成する麹ですが、こちらの麹は60時間かけて丁寧に造られます。また発酵させる温度も通常より幅がある為、より慎重な見極めが必要になります。
麹は一般的に28度~38度の時に雑味や酸味の原因となる成分が生成されてしまいます。なのでこの温度帯の時間をいかに減らすかが旨味のカギとなります。
48度まであげられた麹で作る日本酒は旨味の中にしっかりとした辛さがあり、水と相まって伸びが良くスッキリしています。
千古乃岩のおすすめ銘柄
国内では主に地元で消費されるのであまり知名度は高くありませんが、近年の世界的な日本食ブームもあり海外でも愛されています。
特にベトナム・タイ・カンボジアなどアジア諸国の一部のレストランで飲むことが出来ます。
千古乃岩 しぼりたて 生酒
白ワインのような甘みと穏やかで瑞々しい香りが特徴で、日本酒が少し苦手という方にもおすすめです。
しぼりたてなので開封直後はシュワシュワと発砲がしてさらに飲みやすくフレッシュに感じます。
日本酒特有の麹臭さは感じませんが、こちらは原酒なのでもちろん度数も少し高いです。
あまりの飲みやすさに水のように飲んでしまうと大変ですので注意が必要です。
千古乃岩 純米吟醸
辛口ながらまろやかで甘みがある日本酒なので冷酒~冷やがおすすめです。
香りも日本酒のそれよりも幾分穏やかで青りんごのような瑞々しい香りです。
サッパリとした後にまったりとした心地よいまどろみを感じます。喉通りはスムーズですが、適度な酒度が感じられ印象付けられます。
米の甘さと随所に光るキレの良さが癖になる。そんな日本酒です。
千古乃岩 上撰
上撰ではありますが超軟水で仕上げられたこちらは粗々しさや雑味が少なく、優しく上品に仕上がっています。
香り・味わい共に穏やかなので料理の邪魔をしません。
食中酒として最適で、飲み方も熱燗から冷酒まで幅広く楽しめます。コスパも素晴らしいので日常酒として地元の方に愛され続けているのも納得です。
購入方法
ネットでは公式サイトやヤフーショッピングなどで購入することが可能です。
但し、しぼりたて生など季節限定の商品は元々の少数生産に加え、飲みやすさから地元の方にも大変人気ですぐにネットでは購入出来なくなります。ですのでその時期には直接直売店で購入することをおすすめします。
また連絡は必要になりますが、酒蔵見学も可能ですので購入する際に一緒にしてみるのもおすすめです。
まとめ
「千古乃岩」という名前の由来は地元、土岐市の天然記念物に指定されている重さ13tを超える巨大な岩「稚児岩」から名付けられたそうです。
「千古乃岩」はまさに地域愛の結晶であり、また地域に愛されている日本酒なんですね。