毎年盛り上がるボジョレー・ヌーボー解禁。でも、実は何なのかよく知らない……という方も多いのでは?
どんなワインのことを呼ぶの? どうして毎年盛り上がってるの?どんな意味があるの?
今更人に聞けないボジョレー・ヌーボーのあれこれについて調べました。
ボジョレーヌーボって?
ボジョレーとは、フランス・パリの東南に位置するブルゴーニュ地方の南部に位置する、なだらかな丘陵地帯のことです。
ヌーボー(またはヌーヴォー)とは、フランス語で「新しいもの」という意味。
つまり、ボジョレー・ヌーボーとは「ボジョレー地方の新しいお酒」という意味です。
ボジョレー地方のブドウで造られた、毎年11月第3木曜日に解禁される新酒のことをボジョレー・ヌーボーと呼びます。
ボジョレー・ヌーボーは、9月ごろ収穫されたブドウを仕込んだワインなので、かなり若いものとなります。
果実味が強く、フレッシュな味わいが多いのはそのためです。
品種も赤ワインならばガメ種、白ワインならシャルドネを使ったものに限られています。
またピノ・ノワールを使ったワインも認められてはいますが、昨今ではほとんど使われません。
ボジョレー・ヌーボーは特殊な製法で造られている
ボジョレー・ヌーボーは、「マセラシオン・カルボニック」という特殊な製法で造られています。
通常、ブドウを潰して発酵させるところ、この製法では潰さずそのままタンクに入れます。
ブドウは上からの重みで自然に潰れ、出てきた果汁で自然発酵が始まります。
そのようにしてタンク内に炭酸ガスを充満されます。
この様にして製造されるボジョレーはフルーティで軽快な味わいにも関わらず、黒っぽい濃厚な色味をしているのがポイントです。
ボジョレーの解禁がどうして特別なの?
そもそもボジョレー・ヌーボーは、地元の人が収穫祭で楽しむためのお酒でした。
11月の第3木曜日に定められたのは、実はかなり最近。1984年のことです。
ボジョレーが地元の収穫祭だけでなく、世界各国から注目されるようになったことが解禁の要因になりました。
もてはやされ始めた当時、どこよりも早く販売しようと意気込むワイナリーも多くありました。
そのため、質が二の次になってしまい、ボジョレー・ヌーボーの名を落とすようなものが多く出回ってしまいました。
そこでフランス政府は解禁日を決めたのですが、フランスでは安息日に仕事しないという慣習があります。毎年曜日は違いますから、解禁日が安息日にあたると物流が滞ってしまいます。
そこで、ワインの販売に影響がないよう、今のような形に定められました。
日本でも、ボジョレー・ヌーボー解禁は11月の第3木曜日0時と定められています。
世界中の人がいっせいにワインを楽しむ日。素敵ですね。
呼び方の違い
ボジョレー・ヴィラージュ
ボジョレーの中でも、ボジョレー・ヴィラージュと名がついたワインがあります。
ボジョレー・ヴィラージュは、北部のオー・ボジョレーの特定の村で造られたものだけが名乗れる名前です。
名乗りを許されているのは、ソーヌ=エ=ロワール県の8か村とローヌ県の38か村です。ボジョレー全体のワインの26%ほどがこのボジョレー・ヴィラージュだと言われています。
ボジョレー・ヴィラージュはボジョレー・ヌーボーと共に輸入され、11月の第三木曜日に店頭に並びます。
ボジョレー・ヌーボーよりも上質なものが多いので、こちらもおすすめです。
クリュ・ボジョレー
実はボジョレー地区の中でも格上のワインとして、クリュ・ボジョレーというワインがあります。
特別に上質だということを認められたワインで、名乗れるのはわずか10のAOCのみ。
クリュ | 読み方 |
---|---|
St-Amour | サンタムール |
Juliénas | ジュリエナス |
Moulin-á-Vent | ムーラン・ア・ヴァン |
Chénas | シルーブル |
Morgon | モルゴン |
Régnié | レニエ |
Côte de Brouilly | コート・ド・ブルイィ |
Brouilly | ブルイィ |
数あるワインの中でこれだけしか名乗ることの出来ない上質なクリュ・ボジョレー。一度お試しあれ。
ボジョレー・ヌーボーの美味しい飲み方
ボジョレー・ヌーボーはもちろん美味しく造られていますが、初物ですから縁起物という意味合いも強いのが実情。
恋人とロマンチックに……というよりも、気心の知れた友人とワイワイ飲むのがおすすめです。
また、ボジョレー・ヌーボーの飲み比べというのも素敵です。
飲むときには軽く冷やすのが美味しいですね。
飲む前に冷蔵庫に1時間ほど入れておくか、またはパーティであれば氷水の入った器にビンごと入れておくのが良いかもしれません。
通常のワインであればワインセラーに入れて熟成させたいところですが、ボジョレー・ヌーボーはそれ以上熟成しない状態で出荷されるため、あとは劣化するのみです。
年内で飲み切ることをおすすめします。
おすすめのおつまみ
おつまみは、赤ワインに合わせるようなガッツリしたお肉などではなく、一般的に白ワインに合わせるような軽いものが合います。
魚介や果物を使ったサラダの他、もちろんチーズやナッツとの相性も抜群。
お肉を食べるときは、ローストビーフや生ハムなど、軽めのものがおすすめ。
意外なところでは、鍋や塩の焼き鳥も合います。
色々なおすすめ赤ワインをまとめたページもありますので合わせて参考にして下さい。
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