牡蠣と合うとされているウイスキー。その相性の良さは、村上春樹がエッセイに「ウイスキーを牡蠣に食べると美味しい」と書くほど!
ここで言うウイスキーとは普通のものではなく、潮の香りがあるアイラウイスキーや、ピートが効いたウイスキーのこと。
今回は、牡蠣に合う/相性の良い美味しいおすすめウイスキーをご紹介します。醤油代わりに牡蠣に垂らして食べるのがおすすめです。
まずはこれ!「ボウモア 12年」
「アイラの女王」と称されるアイラウイスキー、ボウモア。しなやかで柔らかいボディは、「女性的」とされます。海に面した貯蔵庫で12年貯蔵されているため、潮のニュアンスがあるのが特徴。
スモーキーさがありつつも、フルーティで甘みがある味わい。ピート香が印象的ですが、奥にレーズンやチョコレートのニュアンスも感じられます。
キレが良くスッキリした呑み心地は、牡蠣だけでなく魚介料理と相性抜群!マグロなどと合わせても。
ドライでスパイシー「カリラ12年」
ボウモアと比べ、「男性的」と称されることが多いカリラ。ボウモアに比べてパンチが強く、ガツンとした呑み心地がそう言われる所以です。
フレッシュでピーティーな味わい。出汁のような塩気も感じられます。ラフロイグやラガヴーリンに比べてあっさりした呑み心地。オイリーなアイラウイスキーはあまり得意でないという方にもおすすめです。
余韻はドライでスパイシー。魚料理や貝料理とは相性抜群! 食中酒にするときは、ハイボールや水割りにするのもおすすめです。
ハイボールもおすすめ「タリスカー 10年」
「ジキル博士とハイド氏」の著者であるR.L.スキーブンソンが「酒の王様」と称したスカイ島のウイスキー。
潮のニュアンスとスモーキーさが一気に口の中に広がり、その後にフルーティな甘さを感じます。スッと引いていく余韻も◎。
アイラ系のウイスキーに比べると飲みやすいお酒。ハイボールにして黒コショウをかける「スパイシーハイボール」もおすすめ。胡椒を使う料理、ステーキなどと合わせても。
個性豊かな味わい「ラフロイグ 10年」
「好きになるか、嫌いになるか」のキャッチコピーの通り、個性が強く人を選ぶ味わいとされるラフロイグ。「アイラモルトの王様」と呼ばれる、男らしい味わいが特徴のウイスキーです。
もちろん牡蠣とは相性抜群です。何よりも特徴なのは、正露丸に喩えられるヨード香。後から追ってくる甘いバニラが柔らかく香ります。
口当たりはオイリーでかなり重め。どっしりした呑み心地と満足感は、食後にもぴったりです。ストレートやロックはもちろん、ハイボールも人気です。
ゆっくり楽しみたい「ラガブーリン16」
名前の「ラガヴーリン」は、蒸留所の前に広がるラガヴーリン湾からとられた名前。ラガヴーリンと蒸留所の組み合わせは景色としても素晴らしく、絵画のように美しい蒸留所として知られています。
アイラ島のウイスキーの御多分に漏れず、スモーキーさと強烈なヨード香が特徴。口当たりにはパンチがありますが、慣れてくると上品な甘さが感じられます。
リッチで重厚な味わいなので、秋の夜長にゆっくり楽しみたい一本。好き嫌いは分かれますが、好きな人は虜になってしまうウイスキーです。
世界一ピート香が強い「アードベッグ 10年」
世界で最もピートの香りが強いとされているウイスキーの一つ、アードベッグ。その強烈さから、アイラ島のウイスキーの中でも好き嫌いが分かれるとされるお酒です。
あえて細かい沈殿物を除去せず、原酒に近いままボトリングを行っていることでも有名。これにより、強い香りと旨みを実現しているんです。
評判に違わず、口に含むとすぐ煙と潮がいっぱいに広がります。潮と煙のイメージが強いアードベッグですが、透明な飲み口も魅力的。味わいは拍子抜けするほどクリアであっさりしています。
軽快な喉越しのあとに残るのは、ふっと消えてしまう儚い余韻。ついついグラスが進んでしまう、そんな一本です。
日本の牡蠣に合わせて「シングルモルト 余市」
ここまでアイラ島のウイスキーを紹介してきましたが、日本の牡蠣にはやはりジャパニーズウイスキーを合わせたいもの。そこでおすすめなのが、この余市というウイスキー。
力強いコクとスモーキーさがあり、これが牡蠣と相性抜群なんです!シェリー樽ならではのほのかな甘み、フルーティさも感じられます。
アイラウイスキーより癖が抑え目で飲みやすいので、スモーキーな味わいのウイスキーに初めて触るという人にもおすすめです。
焼き牡蠣に垂らして「厚岸 ニューボーン」
牡蠣の名産地、厚岸で作られたウイスキー。牡蠣とのペアリングを考えて作られており、公式HPでも焼き牡蠣に垂らす食べ方がおすすめされています。
イチゴチョコレートを思わせる香りに、黒糖や醤油、バタートーストのような複雑で奥深いニュアンス。漂う潮の香りが印象的です。
複雑な味わいをゆっくり楽しみたい一本。ストレートやロックでどうぞ。