イタリアの名産「グラッパ」、元々はワインを飲むことができない農民の間で飲まれていたもので、ワインを作った後のブドウの搾りかすを原料として作られるちょっと変わったお酒です。
分類的にはブランデーに位置しますが、普通のブランデーとは異なり、樽で熟成させない無色透明のタイプも多いので味も個性的です。
普通のブランデーに飽きた頃に飲んでほしい、グラッパのおすすめ銘柄8選をご紹介します。
若さあふれる「リアルト・グラッパ」
ボトルに入った透き通るグラッパ。
見ただけでもそのフレッシュさが伝わってくる「リアルト・グラッパ」は、荒々しいアルコールの中に確かに感じるフルーティさ、空気に触れさせるたびに変わっていくアロマが特徴的です。
少し攻撃的なボトルのデザインからは想像できない、柔らかな口当たりもとても心地いいですね。「これぞ愛されるグラッパ」といった一本です。
この甘さに悩殺される「ジュリア・グラッパ・ディ・シャルドネ」
シャルドネの搾りかすを使用し、オーク樽で熟成させた「ジュリア・グラッパ・ディ・シャルドネ」。グラッパは熟成させないと冒頭で説明しましたが、近年では樽で熟成させたグラッパも数多く出回っています。
中でも「ジュリア・グラッパ・ディ・シャルドネ」は、この琥珀色からも分かる通りオーク樽特有の香りをふんだんに纏っています。
口に含めば甘くとろけるトロピカル。女性ならこのグラッパにハマる人も多いでしょう。熟成したことで、グラッパならではの時にとげとげしいアルコール感もまろやかになっています。イタリア人の流儀に習い、食後に楽しみたくなるグラッパですね。
特別な一本「グラッパ・ディ・サッシカイア」
ワイン好きならご存知でしょう、「スーパートスカーナ」である「サッシカイア」。その「サッシカイア」の搾りかすから作られたのが「グラッパ・ディ・サッシカイア」です。
「サッシカイア」のブランドだけが先行しているのではないか、と半分疑問に感じながらも飲んでみると、「これはもうグラッパとは言えないな」という感想を持ちました。
グラッパなのに丸みがあり上品、最上のとろける甘みが口内を包み込みます。これ一つでデザートとしても完成している気がしますね。
深夜のお楽しみ「トレ・ソーリ・トレグラッパ・ディ・ネッビオーロ」
トーストした樽にて熟成された「トレ・ソーリ・トレグラッパ・ディ・ネッビオーロ」、ブドウの香りと舌に残る甘み、そして長く続くこの余韻。
深夜、目が覚めて寝付けないときでも、心と体に安寧をもたらしてくれそうな優しさを持っています。
気が高ぶって眠れないとき、深夜の仕事終わりなどに楽しみたいお酒ですね。
クラシカルスタイルなら「ルパ・バリック・ディ・ポーリ」
熟成したグラッパよりも、クラシカルなとげとげしいグラッパが好みの方は「ルパ・バリック・ディ・ポーリ」を飲んでみてください。
優しい印象のボトルなのに、その中身は実に個性的でほんのり野性的。かと思えば余韻はローズやゼラニウムといったフローラルな香りが続きます。
もう一口、もう一口と、その味の全貌を確かめたくなる一本です。
口の中で香り膨らむ「ガイア グラッパ バローロ」
ネッビオーロ種の搾りかすで作られた「ガイア グラッパ バローロ」、ネッビオーロ種ならではの甘みとたくましさ、そしてふくよかに膨らむ香りがたまりません。
複雑に絡み合う香りはハーブやチェリーのようで、しかしどこか「渋み」も残しています。
男性も楽しめるグラッパだな、と個人的には感じました。
一筋縄ではいかない味「アクアヴィーテ・リゼルヴァ」
グラッパにも関わらず3年も樽熟した「アクアヴィーテ・リゼルヴァ」、この複雑な味わいはお酒を十二分に楽しんできた人にこそ理解できる味と言えるでしょう。
樽熟させているのにお酒の色はほんのり淡い麦わら色、口に含めば芳ばしさの奥に力強さを感じることができます。
優しいだけでは終わらないこのお酒、いくつもの修羅場を乗り越えてきた大人に似合いの一本と言えそうです。
ピリッとしびれる「ストラヴェッキア・グラッパ」
「ストラヴェッキア・グラッパ」は、ちょっぴりスパイシーな本格派グラッパです。
樽由来のバニラ香といくつもの品種のブドウが混ざり合って生まれたフルーティさ、スタンダードながらも高品質であることがうかがえます。
グラッパのおいしさに目覚めたら、ぜひチャレンジしてほしい銘柄の一つです。
食後に最高のグラッパを
食前・食中はワインをしこたま飲んで、食後の一杯にグラッパ。
このスタイルにハマると、イタリア人がなぜ一日中ワインを飲んでいるのか解ってしまうのが怖いところです。
特に食後のグラッパは、アルコール度数が高いのにデザート感覚で飲み過ぎてしまう傾向がありますのでご注意を!