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品評会で金賞受賞の高評価!恵那醸造の「鯨波」とはどんな日本酒?

品評会で金賞受賞の高評価!恵那醸造の「鯨波」とはどんな日本酒?

「鯨波」はH29年度の新酒品評会で金賞を受賞した銘柄です。

生産も少なく流通も少ないため、まだまだ一般的には知名度はありませんが、クセがなくバランスが良い日本酒なので沢山の人が集まる席の場でも活躍してくれる日本酒に違いありません。

今回は、そんな恵那醸造の日本酒「鯨波」の特徴や味について紹介します。

山の奥にひっそりとある蔵元

「鯨波」を製造している恵那醸造株式会社は現在の岐阜県中津川市福岡町(旧恵那郡福岡町)にある福岡工場でこじんまりと日本酒を製造しています。

社長である長瀬裕彦さんが杜氏も務めており、少数精鋭で造られている日本酒は少数生産の為、この酒蔵で造られる銘柄は基本「鯨波」のみとなっており、期間限定などで商品が販売されることはありますが、常時取り扱っているのは「鯨波 純米吟醸」「鯨波 純米酒」「鯨波 本醸酒」のみとなっております。

岐阜県と長野県を繋ぐ国道を外れ、何もない山道を進んだ先にその酒蔵はあります。山とほんの少しの住宅、畑や田んぼがポツポツとある程度で他に特に何もない。そんな場所で美味しい日本酒は造られています。

繊細で米と澄んだ水で造られる「鯨波」

日本酒に最適な「ひだほまれ」を使用した鯨波。この米は甘み、酸味、香りのバランスが非常に良くお互いの邪魔にならない程度にしっかり主張してきます。

また心白が大きいため、旨味が強いのも特徴ですが、その反面、脆く砕けやすい性質を持っています。

岐阜県は海がなく山が多く存在する為、山の傾斜により細かい石で研がれて角が丸くなった湧き水が多くあります。

この福岡工場もそんな山の恵みを頂いている一つで工場の裏手にある二ツ森山の湧き水を使用して造られています。この水は弱軟水でまろやかさもありながら、非常に澄んでいるため、日本酒造りには最適な水と言えます。

旨味が感じられるやや辛口日本酒「鯨波 純米吟醸」

岐阜のお酒を語るうえで欠かせない酒造好適米「ひだほまれ」は心白の発現率が高いため、旨味が強く感じられる品種です。

その「ひだほまれ」の特徴を色濃く残し、口に含んだ時に真っ先に米の旨味が口いっぱいに広がります。

香りはフルーティーでリンゴのような爽やかさがあり、繊細ながらもしっかりとした筋の通った日本酒です。やや辛口ながら旨味が強いので酸味も抑え気味で非常に体に馴染む日本酒です。

酸味と旨味のバランス「鯨波 純米」

純米酒ながら雑味が少なくキレがいいです。香りはやや抑えられていますが吟醸酒のような爽やかな香りがします。

味わいは旨味がしっかり感じられるので物足りなさを感じません。酸味も少し感じますが、ツンと尖った酸味ではなくスッキリした酸味が絶妙です。純米酒と言われなければ吟醸酒と勘違いしてしまいそうなほどです。

鯨波 純米

オーソドックスなスッキリ辛口「鯨波 本醸酒」

サラリとしていて非常に飲みやすい日本酒です。香りは空気に触れることにより、まろやかに広がりまったりとします。

口当たりもサラリとしていながらも、旨味が感じられひやで飲むのが最適といえるでしょう。

日本酒としては香りはそこまで強くありませんが、アルコールっぽさも感じさせないので日本酒初心者の方でも飲みやすい日本酒だと思います。

この時期を逃すな!期間限定の銘柄

穏やかで優しい味わい「ひやおろし」

限られた期間だけ販売される鯨波の中でも人気が高いのが「ひやおろし」です。

「ひやおろし」とは春先に一度火入れ(加熱殺菌)をしたものを大桶に貯蔵したまま一夏超し、二度目の過熱殺菌をしない「冷や」を「卸し」出荷するという意味で名づけられたお酒です。

一般的に日本酒として出荷されている日本酒は長期保存が出来るように出荷前に「火入れ」をして加熱殺菌をします。

それに比べて「ひやおろし」は一度だけ火入れをし熟成することで、穏やかでまとまりのある香りと、滑らかな舌触りにながら、新鮮さも感じられる秋にしか味わえない特別な日本酒なのです。

フレッシュで濃い味わい「無濾過生」

日本酒好きの人には堪らない無濾過生酒。味わいが濃いため、その年の日本酒の出来が顕著に表れます。無濾過生は例年、1月中旬から3月下旬にかけて各名称が順に出荷されていきます。

基本蔵元一人で仕込みを行っているため各名称柄が販売されるのには差がありますのでお目当ての銘柄があれば注意しておくと良いでしょう。

可愛らしいパッケージの「くじら梅酒」

鯨波純米酒で造られる梅酒は、色合いも淡く優しい味わいが特徴です。梅といえば南高梅を思い浮かべる人も多いと思いますが、古城梅(ごじろううめ)も負けないくらい梅酒に最適な梅です。

南高梅よりスッキリとした味わいで、青梅なので色自体は淡いですが、果肉が引き締まっており梅のエキスが染み出しやすいです。見た目通り甘すぎず、スッキリしているので食中酒としても重宝します。

まだまだ発展中の酒蔵

手作りでこだわりをもって造られた地酒だからこそ、品評会でも金賞を受賞し、地元密着の限られた少数生産のみでも、全国の卸業者の方がわざわざ足をのばして買い求めにくるのですね。

社氏である長瀬さんは現状に満足せず、さらなる追求心を持ち酒造りに臨んでいますので、今後のさらなる発展がさらに楽しみなそんな酒蔵です。

色々なおすすめ日本酒をまとめたページもありますので合わせて参考にして下さい。酒蔵を紹介している特集記事もありますよ。

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