実は日本酒に合わせるのが難しい、マグロやカツオなどの赤身魚。鉄分を多く含む赤身魚は、フルーティな日本酒やと合わせると臭みを助長してしまうことがあります。
マグロやカツオの力強い味わいに合うのは、硬派でしっかりした酸味を持つ日本酒。また、酸味を持つ山廃仕込みの日本酒もよく合いますよ。
今回は、マグロやカツオなどの赤身魚に合う/相性の良いおすすめ日本酒をご紹介します。
マグロに合うお酒「熊野めぐり純米吟醸生詰原酒「鮪」」
マグロに合うよう造られた日本酒です。この日本酒が造られている和歌山は、生マグロ日本一の紀伊勝浦港がある土地なんです。マグロの生臭さをマスキングする酸味と、マグロの旨みを補強する米の旨み。
スッキリしたキレが口の中をさっぱりさせ、またマグロが食べたくなる無限ループを造り出します。燗や冷はもちろん、加水したり、オンザロックでも楽しめます。
どんな料理にも「春鹿 超辛口 純米酒 黒ラベル」
呑み飽きない味わいで日本酒好きからの支持を得ている春鹿。超辛口なのでどんな料理にも合わせやすいこと、入手しやすいことも人気の一つ。香りは控えめ。落ち着いた味わいで、癖がなく飲みやすい一本。
スッキリ飲めるこの味わいが、赤身魚と合わせても喧嘩せず、自然と寄り添ってくれるんです。赤身魚だけでなく、様々な刺身とよく合います。
毎日の晩酌に「清酒 八海山」
日本酒の代表的な銘柄の一つである八海山。食事によく合うことで知られている八海山は、赤身盛とも合わせやすい日本酒です。スッと飲みやすく癖がなく、食事の旨みを引き立てることに徹する八海山は、毎日の晩酌にもぴったり。
コスパが良く、スーパーやコンビニで入手しやすいのも良いですね。熱燗にすると旨みが膨らみ、甘味が目に出てくるようになります。こちらも食事とよく合いますよ。
超辛口!「くどき上手 ばくれん」
日本酒度+20の超辛口吟醸酒です。超辛口というだけあって、ガツンと来るから口当たり。辛口なだけでなくしっかりした旨みもあり、これが刺身から揚げ物までさまざまな料理とよく合うんです。
キレの良さと辛口な味わいが、口の中をスッキリさせてくれます。ぬる燗にしても美味しくいただけます。
魚に寄り添う「伯楽星 純米大吟醸」
魚と合うよう造られている日本酒です。大手航空会社の国際線ファーストクラス機内酒にも選ばれており、その実力はお墨付き。赤身魚と合わせる時、ネックとなるのが日本酒のフルーティな香りですが、この伯楽星は香りも味わいも主張しすぎません。
パインやマスカットを思わせるフルーティで上品な香りがかすかに感じられます。米の味わい・旨みと爽やかな酸味が、マグロやカツオの旨みを引き立て、臭みをマスキングしてくれますよ。
米の旨みたっぷり「燦然(さんぜん) 特別純米酒」
旨みが強い日本酒が好きという方におすすめなのが、この日本酒です。なんといっても特徴なのは、ふくよかな米の旨み。穏やかな甘味と米の旨みが口いっぱいに広がります。
後味には苦味もあり、キレが良いのも◎。刺身の他には、焼き魚や鍋など気取らない和食と合わせるのが良いですね。ぬる燗~熱燗にするのもおすすめ。ふくよかな香り、味わいがより楽しめます。
フルーティで飲みやすい「獺祭純米大吟醸 磨き三割九分」
フルーティな日本酒を赤身魚と合わせたいときは、キレが良く旨みがきちんとあるものを選ぶのがベター。獺祭はとくに赤身魚とよく合います。
華やかでフルーティな香りとほのかな甘味。ふくらみのある旨みが印象的。
日本酒が苦手という方でも飲みやすい雑味のなさとバランスの良さが、獺祭が評価され続けている理由です。
旨口芳醇!「杣の天狗 純米吟醸 うすにごり」
「旨口芳醇」で有名な上原酒造が作る一本です。まず感じるのは、ヨーグルトのような甘酸っぱい香り。まさに旨口芳醇という言葉がふさわしい、ジューシーな甘口。
マグロの味わいにも負けない強い旨みと芳醇な味わいが特徴。奥行きのある複雑な酸味も印象的です。
熱燗にするとまろやかさがより極まり、マグロの旨みとのより良いマリアージュが楽しめるようになります。
しみじみ美味い「美寿々 本醸造」
刺身だけでなく、いつもの食卓においしいお酒を合わせたい。そんなときはこの日本酒がおすすめ。お米の香りとアルコールの刺激。こってりした糖分の味わいも感じられます。
華やかなところは決してありませんが、飾り気のない素朴な旨さという感じで、どこか懐かしさすら感じられるおいしさ。冷酒から熱燗まで、幅広い温度で楽しめるのも◎。
マグロと合わせるなら、キリッと冷やすのが良いですね。口の中をさっぱりさせてくれますよ。
呑み飽きないおいしさ「田酒 特別純米」
田酒とは、「田んぼの米のみを使う」という意味が込められた名前。幻の米と呼ばれた地元青森の古城錦を復活させるなど、青森の米にこだわり、純米酒のみを作り続けてきます。
雑味がなく呑み飽きないおいしさ。赤身魚の濃厚さに負けない独特の旨みが印象的です。