ジュネヴァとは、オランダで作られている、ジンの原型となったお酒のこと。独特の香りや味わいがあり、ジン愛好家からはオランダジンとも呼ばれ親しまれています。
麦芽を多めに配合した原料を糖化発酵させた醸造酒にジュニパーベリーを漬けこんで作られており、ドライジンに比べて甘くて濃厚な風味が特徴。
ドライジンとは全く違う味わいで、ドライジンが苦手という方にもおすすめしたいお酒です。ストレートやロックで飲むのが現地流。お酒に強いオランダの人々は、オランダジンのチェイサーにビールを飲むのだとか。
今回は、そんなオランダジン(ジュネヴァ)のおすすめ銘柄をご紹介します。
初心者にもおすすめ「ボルス ジュネヴァ」
オランダジンで最も有名な銘柄の一つ、ボルス。1664年からオランダジンを作っており、現存する世界最古のスピリッツブランドとされています。
オランダジン(ジェネヴァ)はシャンパンやコニャックのように決まった地域や製法でしか名乗れないという決まりがあるため、クオリティの高さはお墨付き。
このオランダジンは、バーテンダーの熱烈な声を受けて昔のレシピを再現した一本です。独特なボトルの形状は、昔、粘土でできたこの形のボトルに詰めて出荷されていたことに由来しています。
あっさりとした飲みやすい味わいで、オランダジンに初めて触れるという方にもおすすめ。ストレートやロック以外に、カクテルに使っても美味しくいただけます。
ウォッカのように澄んだ透明をしているので、色を大事にしたいカクテルにも最適。特にジントニックやトム・コリンズなど、定番のカクテルにするとドライジンとの違いがわかりやすいですよ。
柑橘系ともよくあう「ボルス エイジドジュネヴァ」
「ボルスジュネヴァ」をオーク樽で18ヶ月以上熟成させたものが、このエイジドジュネヴァです。オーク樽で寝かせただけあって、透明なボルスジェネヴァに比べて黄金色をしています。
ジュニパーベリーの香りは控えめで、どちらかというとウォッカやウイスキーに近い味わい。まろやかな口当たりとオークの甘みを感じられます。
ロックやストレートのイメージが強いオランダジンですが、実は世界最初のカクテルレシピブックにもレシピが載っているくらい、カクテルベースにぴったり。カクテルに使うときは、甘みがあるものをチョイスするのが◎。柑橘系のジュースともよく合います。
まろやかな口当たり「ズイダム ジュネヴァ 1年」
オランダといえば風車が有名ですが、実はあの風車は様々な生活に役立てられてきた建物。特に穀物を粉にするときによく使われていたといいます。
このオランダジンは、そんなオランダ伝統の風車を動力とした石臼で粉砕された原料を使って作られたものです。
大麦麦芽やライ麦、トウモロコシを使っているため口当たりがよく、甘みを強く感じられるのが特徴。ジュニパーベリーとリコリス、他7種類のボタニカルから成る芳醇な香りは、得も言われぬ心地よい味わい。
樽で12か月熟成されているので、樽由来のバニラの香りも感じられます。樽の香りを十分感じるためには、ストレートやロックで飲むのがおすすめ。アルコールが強くて飲みにくいときは、水割りにすると美味しくいただけますよ。
深い味わい「ズイダム オードジュネヴァ シングルバレル 5年」
「ズイダム ジュネヴァ」をさらに5年樽で熟成させたものが、このオードジュネバシングルバレル5年です。
まろやかな口当たりやボタニカルの芳醇な香りはそのままに、樽熟成によるバニラの香りと、滑らかさが強くなっています。ズイダムジュネヴァに比べて、さらにアルコールの刺激が少ないのが特徴。
注いだ瞬間はフレッシュなリンゴの香りが、少し置くと完熟リンゴの甘い香りに変化。奥行きのある複雑な味わいは、唯一無二。余韻も長く、思わずゆっくりため息をついてしまう味わい。
ぜひ、最初はストレートで飲んでみてください。チェイサーにビールを用意すれば、オランダの風が感じられること間違いなし!お酒を呑み慣れている人にこそ味わってほしいおいしさです。
手に入ったらラッキー!「ノールド オードジュネヴァ 20年」
昔ながらの伝統的な方法で職人たちが手作りしているオランダジンです。人が作っているため大量生産が出来ず、限定生産品となっています。これは原酒をホワイトオーク樽で20年熟成させており、複雑な味わいが楽しめます。
熟成させたお酒ならではの重厚な味わいと、樽熟成由来の甘みと香り。ハーブやボタニカルの芳醇な香りがそれらの要素をまとめあげており、独特の味わいです。
スコッチにも似た風味は、ジンが好きという方よりも、ウイスキーが好きという方におすすめしたい逸品。市場に出回っていることが少ないので、見つけたらラッキー! 売り切れる前に手に入れちゃいましょう。
ストレートでどうぞ。冷凍庫に入れてとろっとしたものを楽しむのも良し、常温で香りを楽しむも良し。お好みの温度で飲んでみてくださいね。