「三千盛」は甘口が主流であった時代でも超辛口にこだわり日本酒を造り続けてきた岐阜県多治見市にある酒蔵です。
今では辛口党の中ではメジャーですが、一体どんな酒蔵でどんな日本酒があるのでしょうか?
今回は超辛口で有名な三千盛について特集してみました。是非参考にしてみて下さい。
三千盛の歴史
創業は江戸時代後期で約200年続く老舗酒蔵です。
甘口が主流であった戦後には社内外から「甘口でなければ売れない」と言われましたが、今までの作り手としての根本を変えることなく、「辛口でありながら口当たりがよく飲みやすい日本酒」を造り上げ、作家・永井龍男氏に愛されたことから一気に人気に火が付きました。
現在でも製造している日本酒のほとんどが超辛口に分類される銘柄ばかりですが、キツ過ぎない辛口は多くの人を魅了し続けています。
新たな試みや海外への品評会にも意欲的な活気のある酒蔵です。
蔵開き
三千盛の蔵開きですが春は3月下旬、秋は11月下旬の年2回「酒蔵感謝祭」が開催され、多くの人で賑わいます。
「酒蔵感謝祭」の案内は開催の1か月前からホームページ上で行っているため、興味のある方はチェックしてみてください。
出品酒は季節の限定銘柄も含め10品以上あります。超辛口とはいっても味わいにはやはり個性がありますから、少しずつ飲んで好みの日本酒が見つけれるのは嬉しいですよね。
こちらではローカルフードの屋台なども提供されています。また当日に酒蔵ツアーも申し込みが出来ますよ。
※酒蔵専用駐車場はありませんので多治見駅から出発する循環バスや公共機関の利用が必須です。
販売店
全国にファンがいるとあって、大きな酒屋さんでは置いてあることも多いようです。特に関東、中部であれば手に入る機会も多いです。
通販での購入も可能でYahoo!Japanショッピングでは正規販売店もあります。
またAmazonや楽天でも購入は可能です。秋限定の「しぼりたて」や「ひやおろし」、春限定の「春だし生」などは正規販売店などでもすぐに売切れてしまう人気銘柄ですが、たまにAmazonなどでは販売していることもありますので要チェックです。
三千盛自慢のおすすめ銘柄
印象深いのにキレイでうまい日本酒ばかりの三千盛。今回は数ある銘酒の中でも人気の高い銘柄をご紹介します。是非参考にしてみて下さい。
海外でも評価の高い「三千盛 小仕込純米」
山田錦の旨味の強さと美山錦のスッキリ爽快な味わいのある2つの酒造好適米から造られたこの「三千盛 小仕込純米」は酒度+18と超辛口ながら、旨味が活きています。
リンゴのような酸味が感じられ後味はすっきり。海外への挑戦にも意欲的で特にこの「三千盛 小仕込純米」は毎年高い評価を受けています。魚との相性は抜群で刺身や、寿司に合わせるのがおすすめでです。
キレと旨味の融合「三千盛 嶺萌」
とてもフルーティーで完熟前の白桃を思わせる瑞々しさと米の香りがたっている日本酒です。キレの良い三千盛をよりインパクトのあるものにしています。
大吟醸無ろ過生原酒だけあり、日本酒好きのひとには堪らない一本です。冷やからぬる燗がおすすめで鼻から抜ける芳醇な味わいを堪能出来ます。
食事との相性抜群「にごりアクティブスパークリング」
今では珍しくないスパークリング日本酒の中でもやはり存在感があります。度数もスパークリング日本酒の中では高めの15.5度(瓶詰時)あります。
ドライで大味かと思いきや活性発酵で繊細な泡が適度にクリーミーさを醸し出しており、ピリッとした刺激とのバランスが絶妙です。
味の濃い食事やスパイシーな食事との相性も抜群ですので是非食中に飲んで頂きたい日本酒です。
強さと繊細さを併せ持つ「悠醸 純米大吟醸」
美山錦のみを使用したこの日本酒も日本酒度+12と超辛口の部類に入ります。今流行りの芳醇ながら軽やかな日本酒であるといえます。
香りも甘みを感じるフルーティーさですが穏やかで食事の邪魔になりません。飲むごとに旨味が奥深いものに変わっていき、最後はスーッと解けていきます。
上品で飲みやすいので女性にもおすすめです。
超辛口酒蔵が造る超甘口日本酒「あぺりてぃふ 純米大吟醸」
辛口を売りにしている三千盛唯一の超甘口日本酒です。「アペリティフ」とはフランスの言葉で食前酒を意味します。
最高の食前酒を目指したとあって、しつこさは感じさせず後味も口に馴染むように消えていきます。
酸味がたっており山田錦の旨味とフルーティーさをうまく引き立てています。食前酒としてはもちろん食中酒、寝酒などにもおすすめ。
よりスッキリとさせたいのならキンキンに冷やしても美味しくいただけます。
まとめ
日本酒も時代の流行に左右されてその都度、群衆のニーズに応えてきましたが、この三千盛は先代社長から受け継いだ信念を変えることなく、今日まで辛口にこだわり酒造りに励んできたのですね。
その一本芯の通った心意気は辛口党の心に届き、今や全国にコアなファンが酒蔵にまで成長しました。
超辛口は造っている酒蔵も少ないので今後も「三千盛」から目が離せません。