「獺祭」の名前が浸透し始めてもうしばらく年月が経ちますが、いまだにその人気は衰えないどころか益々知名度を上げている印象があります。
日本酒ネームバリューナンバーワンと言ってもいい「獺祭」には実は種類が色々あり、飲んでみたいけれど「どれを飲めば美味しいのかわからない」と感じている人も少なくないようです。
そこで今回は、高級日本酒「獺祭」の味をランクごとに比較し、さらにシーン別おすすめランクをご紹介していきます。自分で飲みたい人も、プレゼントに選びたい人も是非最後までご覧下さい。
「人気の獺祭」ってどんな日本酒なの?
とにかくすさまじく売れている日本酒というイメージのある「獺祭」。この「旭酒造」という酒蔵で山口県岩国市周東町獺越の長閑な地域で製造されております。
「獺祭」の最大の特徴は商品ラインナップが全て「純米大吟醸」だということです。
米の磨き度合い、抽出方法の違いにより「純米大吟醸」のみで様々な違いの商品を生み出したことに、この蔵元の「純米大吟醸」に対する強い拘りがわかります。
現在の社長が酒蔵を引き継いだ時には、事実上の倒産状態までに追い詰められていた酒蔵ですが、「獺祭」によってその危機をまぬがれました。
「獺祭」は、今や日本酒の主流である「吟醸系」のパイオニアと言えます。「米を磨いて新たな価値を生む」吟醸香引き立つ「獺祭」は、フルーティーでしつこくなく、どこかワインのような高級感を持っているのが特徴。
女性でも飲みやすく、アラカルトとも合う。新たな日本酒の魅力を引き出し、その地位を確立したのが「獺祭」なのです。
「タイプ別」主なラインナップ
現在「獺祭」と名前がつく商品は8銘柄ありますが、銘柄を言われただけでは、どんな味かわかりませんよね。
各銘柄の特徴と比較をタイプ別に分けてみました。また通常のラインナップではありませんが、珍しい「獺祭 島耕作」という銘柄も紹介していますので、是非参考にして下さい。
今回は「獺祭」の特徴、銘柄比較、最高の飲み方まで「獺祭」の魅力を紹介していきます。
ノーマルタイプ
日本酒を醸造する際には米を磨きますが、この磨き具合によって味が変わってきます。米は中心層にいく程、香り高く雑味が少なくなるのでスッキリした印象になります。
米の磨き具合によって銘柄分けされたのがノーマルタイプです。
クリアでフルーティーな味わい「獺祭 純米大吟醸50」
「獺祭」の中で最も、お手頃価格で購入出来るのが「獺祭 純米大吟醸50」です。
瑞々しい中に、しっかりと「日本酒らしいコク」を感じられ、日常酒としてはもちろん、ちょっとした集まりでも十分その場を盛り上げてくれます。
中辛口とありますが人によっては甘口と思ってしまう程フルーティーです。しかし飲み口がクリアなのでスッと馴染みます。
全体のバランスが非常に良いので、色々な料理をあてに出来るのも嬉しいですね。
甘み引き立つ濃厚な味「獺祭 純米大吟醸 磨き三割九分」
「日本酒は純米大吟醸しか受け付けない!」なんていう日本酒好きもいますが、この純米大吟醸を飲んだら他のものは飲めなくなるかもしれない、それが「獺祭 純米大吟醸 磨き三割九分」です。
個人的には純米大吟醸は苦手の部類に入るのですが、これはちょっと、一般的な「日本酒」という概念を捨ててから飲んだ方がいいと思います。
はちみつのようなとろける甘みに、嫌味のないまったりとしたフルーティーさ。日本酒なのに余韻も長く、上品な香りはさすがの「獺祭」といったところです。
山田錦を贅沢に削る「獺祭 純米大吟醸 磨き二割三分」
高級酒米山田錦を23%削り作られた「獺祭 純米大吟醸 磨き二割三分」。
獺祭はどれも価格が高いのが難点なのですが、これを飲んだら「高いのも仕方ない」と感じてしまうことでしょう。
米を削ることで生まれるのは香りです。米の臭みを排除し酵母の酸味を引き出す「獺祭 純米大吟醸 磨き二割三分」は、後味さっぱりとして純米吟醸の割に軽い口当たりなのが特徴です。「初めての獺祭」ならこれがおすすめですね。
遠心分離タイプ
「獺祭 遠心分離」は、無加圧状態でもろみを「遠心分離」することでお酒を抽出しています。この製法によって純米大吟醸もろみの本来持つ香りやふくらみが余すことなくお酒に反映することが出来ます。
それにノーマルタイプの酒質を加えることで、厚みと複雑さとプラスさせたプレミアムな日本酒です。「ノーマルタイプ」と比較するとスーッと体に染み込むようなクリアと香りの広がりが特徴です。
純米大吟醸の上を行く「獺祭 遠心分離 磨き三割九分」
テイスト的にはノーマルタイプの「磨き三割九分」と似ていますが、「遠心分離」によって雑味が少ない分、口に含んだ後の香りの広がり方に違いがあります。
甘みも「磨き三割九分」と比べるとスッキリとしていて繊細で上品な仕上がりになっています。本当に特別な日にゆっくりと飲んでもらいたい。そんなお酒です。
新鮮さと上品さが際立つ「獺祭 遠心分離 磨き二割三分」
「獺祭 遠心分離」は、もろみに圧力をかけず「遠心分離」することでお酒を抽出するという、新しい製法で作られたプレミアムな日本酒です。
「獺祭」の中でもさらに澄んだクリアな味で、スーッと体になじむような感覚があります。どの「獺祭」にも言えることですが、とにかく「日本酒と思わず飲んでみてほしい」、この一言です。
日本酒嫌いな人はそのまま飲めますが、日本酒好きにとっては物足りない感じもあるんですよね。「日本酒ではなく新しいお米のお酒」という認識の方が正しいのかもしれません。
その先へタイプ
新たな味を求めて「獺祭 純米大吟醸 磨き その先へ」
獺祭はどれもフルーティーでスッキリしたものが多いですが、現在の「獺祭」では飽き足らず、新たな味を求めて作られた「獺祭 純米大吟醸磨き その先へ」。
「旭酒造」の「挑戦状」のようなこのお酒は、今までのランクとは異なり、派手さはないものの複雑な香味があと引くいいお酒です。
その理由は飲み口は辛いのに、香りが甘く、濃厚という点にあります。
「二割三分」よりも少し濃いかな?と感じました。私は「二割三分」よりこちらの方が断然好きですね。
スパークリング
シャンパンのように瓶の中で酵母発酵が進むので、キメの細かい炭酸になります。澪などのスパークリングより、にごり酒らしく優しいマイルドな味に仕上がっています。
もっとおしゃれに楽しむのなら「獺祭 発砲にごり 純米大吟醸50」
日本酒なのにスパークリング!と、これが出た時には心が躍った記憶があります。
おしゃれなボトルで女性に大人気の「獺祭 スパークリング」は、にごり&発泡でさわやかに飲めるのが特徴です。
酵母の生き生きとした酸味に駆け抜けるような炭酸感、優しい甘みは一度飲むと癖になりますね。食前酒としておすすめです。
キレのある炭酸を味わうなら「獺祭 発砲にごり 三割九分」
同じにスパークリングでも、こちらはキレがあります。丁寧に磨かれた日本酒は炭酸にしても酸味は強く感じません。
スパークリング系は辛口にすると尖りを感じやすいですが、にごり酒なので角が丸く適度な爽快感が味わえます。
スパークリング日本酒は邪道だと思っている方も、これなら唸ること間違いなし。
番外編
復興支援の絆が生んだ「獺祭 島耕作」
2018年7月に集中豪雨によって旭酒造がある山口県岩国市周東町獺越も甚大な被害を受けました。
酒蔵の前の道路は崩れ、停電被害に遭い、貯蔵されていた「獺祭」も「獺祭」としての品質基準に届かず、会社自体の復旧すら危ぶまれました。ですが山口県出身の漫画家「弘兼憲史氏」とのコラボにより「獺祭 島耕作」という銘柄にして、世に送り出すことが出来ました。
この「獺祭 島耕作」の売り上げの一部は西日本豪雨で被害に遭われた各県に寄付され、各地の復興に充てられました。
「獺祭」の品質基準には満たさなかったものの、停電被害にあったタンクにはグレードの高い「磨き その先へ」もあったため、販売直後すぐに売り切れてしまいました。
今後プレミアがついて高値で売り出される可能性が高いので、気になったらチェックしてみて下さいね。
「シーン別」獺祭の楽しみ方
最後に、「獺祭」をもっと楽しむための「シーン別での選び方」について紹介します。
- プレゼントに最適なのは「獺祭 純米大吟醸磨き その先へ」と「獺祭 遠心分離」
- 仲間が集まる時には「獺祭 純米大吟醸 磨き三割九分」
- コストパフォーマンス重視なら「獺祭 スパークリング」
- ちょっといいお酒が飲みたいときには「獺祭 純米大吟醸 磨き二割三分」
これらを参考に、自分にぴったりなおいしい「獺祭」を見つけて楽しんでくださいね!
日本酒とどっちがうまい?『獺祭のレア焼酎』飲み方と定価購入方法色々なおすすめ日本酒をまとめたページもありますので合わせて参考にして下さい。他にも有名銘柄を特集した記事がありますよ。
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